空き家を放置すると固定資産税で損をする?!その仕組みとは
全国的に空き家となった住宅が年々増加しています。人口の減少や、空き家を管理できないケースが原因となっていますが、不動産である以上は税金がかかることは避けられません。
しかも、住宅として使っていない「空き家」を放置すると、固定資産税が多く取られることがあります。一体どのような点に注意が必要なのでしょうか。
「空き家」の固定資産税はいくら?
親や祖父母など、親類が住んでいた住宅を相続しても、住まずに保有する「空き家」となった住宅。これらの住宅に対しても、税金を収める必要があります。
不動産を所有していると、居住者の有無に関係なく「固定資産税」と「都市計画税」がかかります。いずれも土地や家屋に課せられる税金で、各市区町村が税額を計算して、不動産の所有者(=納税者)に通知します。所有者はそれに基づいて税金を納めなければなりません。
それでは、それぞれの税金はどのように計算されるのでしょうか。
<固定資産税・都市計画税の計算方法>
固定資産税(標準税率)=課税評価額(固定資産税評価額)×1.4%
都市計画税(制限税率)=課税評価額(固定資産税評価額)×最高0.3%
※固定資産税評価額は固定資産税、都市計画税、登録免許税の計算に使用する評価額のことで、3年に1度見直されます。1994年度評価額以降は、公示価格の70%になるように調整されています。
なお、住宅用地に関して減額特例が以下のように適用されます。
区分 | 固定資産税 | 登録免許税 | |
200平方メートル以下の部分 | 小規模住宅用地 | 評価額の1/6 | 評価額の1/3 |
200平方メートルを超える部分 | 一般住宅用地 | 評価額の1/3 | 評価額の2/3 |
住宅が建っている土地を対象としているため、住宅自体はこの適用の範囲ではありません。その点には注意が必要です。
特定空家とは 該当する条件を知りましょう
全国的に空き家が増え、防災面や衛生、景観への影響が問題視されるようになり、固定資産税と密接に関わる法律が施行されました。
それが、平成27年5月26日に完全施行された「空き家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)」です。
手入れされずに放置された次のような空き家は、空き家対策特別措置法によって「特定空家」に指定されます。
・そのまま放置すると倒壊など危険の可能性がある
・そのまま放置すると著しく衛生上有害となる可能性がある
・管理が適切に行われないために、景観を著しく損なっている
・その他周辺の生活環境保全のために放置することが不適切な状態
空き家が特定空家に指定されると、固定資産税が最大で6倍になってしまいます。続いてその仕組みを解説しましょう。
空き家にかかる固定資産税が高くなる理由
住宅用地特例では、「住宅が建っている土地」が条件となるため、更地にせずに空き家として保有している方が税制的に有利になります。
そのため、「取り壊さずに税金を安く済ませる」ために空き家が増える一因となりました。
こうして放置された空き家が、前述の「空き家対策特別措置法」で「特定空家」と判断されると、空き家の固定資産税が高くなります。
これは、特定空家では空き家が建つ土地にかかっていた固定資産税に特例が適用されず、固定資産税額が最大で6倍になるためです。
空き家の固定資産税が上がるタイミングはいつ?
特定空家の指定は年間を通して行われますが、すぐに固定資産税や都市計画税が上がるわけではありません。税金額は毎年1月1日を基準日として計算されるため、特定空家に指定されても年内にその状況を改善すれば特定空家の指定が解除され、住宅用地の特例を引き続き受けられます。
ただし、解除が1月2日以降になった場合は、その年の固定資産税と都市計画税に住宅用地の特例が適用されませんので、注意が必要です。
また、空き家を売却した場合、一定の要件に当てはまる場合は譲渡所得の金額から最高で3,000万円まで控除が受けられます。
固定資産税の上がるタイミングまでに売却したい、住む予定がない住宅を相続したのでどうにかしたいという方は、ぜひ「株式会社エステートワン不動産」へお気軽にご相談ください。